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 LTC3780EG採用 走行充電TC30E Eseries
 新規2018/12/29  最新更新2022/11/24 30A仕様・TC30E Rev04
30A仕様フルブリッジ同期整流方式走行充電
TC30E走行充電基板 試作機Rev04 大型FT140-67トロイダルコア 1.6φ*2 15t 
 
目標は30A。
リニアテクノロジー社製LTC3780EGを採用。昇降圧可能なフルブリッジ同期整流方式。多機能でゲートドライバーも内蔵するなど集積度が高く部品点数はTC10Cより少なくなります。チップはSSOP24、1個1,000円以上と高価なチップです。他にも30Aをクリアする67材のインダクタも40mm径もの大型になり、高コストは避けられません。FETもRds1mΩ以下の物を使用する。基板内部を30A以上の電流を流す困難さなど30Aを目標とするには容易な事ではない。
もっぱら技術的興味から開発試作する事にしました。
開発進行状況はブログで
 始めに:
これまでTC10A/B/C シリーズ最高性能を狙ったものです。DCDCコンバータICはLTC3780EGを採用します。高効率のフルブリッジ同期整流式昇降圧コントローラ。走行充電の常用域で降圧レギュレータ制御も不要なので全域で高効率となります。低発熱でありワンボードで30Aを可能とするハイパワー走行充電器を作ります。LCD表示操作ユニットはTC10B/10Cと共用としました。
何故昇降圧なのか
通常オルタネータは14.0V~14.5Vが発電電圧ですが、バッテリに充電する場合充電電圧は14.2~14.5Vくらいなので一見降圧モードは不要と思われがちです。しかし充電初期には定電流モードになり、電圧は設定より低い電圧が保たれます。特にリン酸鉄リチウムイオンバッテリの充電特性図を見ると充電終期にようやく設定電圧に到達します。長時間にわたって13V台の充電電圧と成ります。この "レギュレータモード=降圧制御" はTC10C/10Bでは入力スイッチFETが担っています。レギュレータモードはFETの熱損失となり無駄なエネルギーとなります。こんなところからTC10Eの必要性が生まれました。
今回も 松山市Zero氏との共同開発。

100AH 0.3C充電では30Aが必要となる。リン酸鉄リチウムイオンバッテリでは1C充電

0.3C充電が可能と説明書に記載する鉛バッテリーは少ないのですがSLエブリイホームメイドキャンパーに次回更新予定のLonng WP50-12NEを2個並列とした場合、100AHとなり0.3C充電では30A必要となります。TC10C/10Bの最大16Aでは0.16C充電となり力不足となります。30Aではより短い時間の走行充電が可能となります。余力を持って35Aの能力が必要で高効率低発熱で達成する為にはフルブリッジ同期整流方式が必要となります。
注;TC10C並列駆動も可能ですが
実際、走行用メインバッテリーはほぼ定電圧充電でありエブリイの40B19Lでもセル起動後の充電初期は20A程度の充電電流を確認出来ます。
 
同様の事を実現する為に最近発売された各社の昇圧型走行充電器は直結モードなる逃げ道を作っています。内容はあくまで直結で大電流が流せますということ。無制御モードです。コンバータモードでの能力は15.0V10A程度。直結で最大60A"充電"が可能と表現するのは機器の能力ではありません。”60A迄はスルー可能です”です。直結モードが有効な動作領域は非充電制御車であっても多くは無いと思われます。
 
基板領布(PWB)、PICの領布、お問合せ下さい コスト高!モニター販売の予定はありません。

追加情報、最新情報はブログ記事TC10Eにも記載しています。 
当記事内容は随時追加、変更する為ブラウザで更新クリックしてください。

2018/12/10 試作基板Rev01 ハードウェアテスト成功、制御成功

2019年1月10日 初試作成功PIC制御V0.01による目標値動作を確認、不安定要素有
2019/03/07 試作2号基板TC10DE_Rev01準備中
2019/05/13 試作5号機Rve01 29A達成
2019/05/22 同30Aオーバー連続達成
2019/06/01 TC10E/30Eのモニター販売を実施するかは未定です。10A級~30A級迄試作検討しています。
2019/09/25 30A仕様に絞り名称を【TC30E】に統一します。
2019/10/20 Rev04 タイトル画像です。強制空冷FANサーミスタ追加、インダクタFT140-67等ほぼ完成。

 目次 項目: 項目クリックで該当ページに行きます。
  1. TC30Eの特徴
  2. ポイント解説
  3. 全回路図
  4. 部品表
  5. スペック、保有機能
  6. メイン基板の製作
  7. 操作&表示基板の製作
  8. プログラムの説明 ボードの較正、リセットについて
  9. PICプログラムのバージョンアップ
  10. 充電条件の設定
  11. サポートツールの制作
  12. 基盤のテスト手順
  13. ボードの較正、動画で説明、PICVerUPなど
  14. ヒートシンク取付
  15. 取付結線図、接続手順、チェック方法、筐体組込例、並列運転
  16. テスト、評価
  17. 注意事項 Q&A
  18. 関連記事ブログカテゴリーTC10E

TC30Eの特徴リモコン&LCD表示DCDCコンバータの理想形昇降圧LTC3780EGを採用
高効率、低発熱、低リップル、シンプル&高性能、 ハードウェア無調整
入力SWFETが不要。入力電圧=出力(充電)電圧もロスが無い。
常用域の充電電圧=メイン 電圧差のない領域での高効率充電。
LTC3780の各モード制御をPIC16F1705により行う多機能マイコン制御です。
スイッチングFETは車載電装用超低Rdsの小型LFPAKを採用します。
リモコン&操作SWはTC10C/Bと共通。電流電圧常時監視。
設定可能範囲充電電流2.0A~20.0A充電電圧12.0V~15.0V(Ver0.02) 
昇降圧対応基盤とする。(ソーラー入力制御・走行充電出力制御)

■■LTC3780EG昇降圧DCDCコンバータを採用する
TC10B/TC10Cの入力電流制御ではなく、走行充電の場合LTC3780では出力制御となります。降圧制御のソーラーでは入力制御。LTC3780は高効率、高機能のアップダウンが可能なDCDCコンバータドライバーです。TC-10B/TC10Cとは異なり出力電圧制御のため並列運転に最適ではありません。電源ソースがソーラーパネルにも適しています。(センサー切替)さらにハイパワーもアッパーサイドスインチングFET選択、電流センサーシャント抵抗の適正な選択などで20A以上も可能となります。

製作難易度5:★★★★
LTC3780EG SSOP24は0.65mmピッチです。TC10CのゲートドライバーLM5106MMのSOP10-0.5より手作業半田付けは少し楽です。部品点数も少なくなりTC10Bよりは製作は難しくTC10Cより楽だと思います。
【この記事は松山市の零氏からソフトハード共に設計提供頂き、共同開発したものです。著作権はZero 氏と共有になります。
  TC30E の仕様、スペック、制御プログラム
■■全回路図 (Rev04  20191002更新)
■■TC30E 部品表 &製作コスト 2019/10/02参考資料
秋月電子などで容易に入手可能な安価な部品を選定しました。LTC3780EGは国内正規代理店はでの最安価格で1個@1270円AliExpresなどは偽物だらけですインダクタは自作します。 FETスイッチはRds1mΩ前後のLFPAKタイプを使用します。PIC、LCD表示基板はTC10B/Cと共通です。
 
■■スペック TC30E   保証するものではありません。2019/10/02変更
*名称: 使用部品、仕様、スペックによりTC-10~30用途形式によりA,E,Dが付く
*入力電圧: 12V車(ACC端子に13.0V以上で充電開始 設定範囲内で動作します。
*最大出力 15.0V、30.0A
*充電電流: 1~30A可変
*充電電圧: 13.8~15.0V可変
*充電開始電圧: 13.0V 
*待機電流: 12.5V時 6.5mA(サブバッテリより) メインバッテリはゼロ
*冷却ファン: 温度制御50℃固定オンオフヒステリシス有り(20190909変更)
*警報: メイン、サブの低電圧警報 可変設定11.1-12.5 
*低電圧警報、プロテクター:E seriesでは廃止→MS-PSWで別回路とした為
*対応バッテリー: LiFePo4バッテリ、全鉛バッテリー
■■保有機能
*マイコン制御によるソフトスタート(TC10B/C共通)
*高機能フルブリッジ同期整流DCDCコンバータLTC3780チップを採用
*高効率、低発熱により高出力時でもファンレスが可能となります (TC10B/C共通)
*充電開始、最小、停止電圧の設定などTC10Cからプログラムの追加変更
*出力側(入力)電流センサーとPICマイコンによる電圧電流制御(電力制御)機能
*最大電流制限機能、ショート保護機能
*LCDリモコン装備。電圧,電流計表示,バックライト付LCD表示操作スイッチ。 (TC10B/C共通)
*非充電時メイン、サブ電圧を常時監視表示。充電モード時サブ電圧、充電電流表示。 (TC10B/C共通)
*リモコン用RJ45LANケーブル端子付。5m程度まで延長可 (TC10B/C共通)
*冷却ファン端子付。動作温度50℃、60℃切替
*各種保護機能 (TC10B/C共通)
*大容量ネジ式端子台25Aを2個並列使用
*ACC端子付ACC連動充電可。使用部品バラツキをボード毎に温度、電圧、電流を較正する高精度実現 (TC10B/C共通)
*リモコン通信異常検出:正常時”S”点滅 停止時常時点灯(TC10B/C共通)
*寸法等:PWB 約86*87 完成基板?g(3㎜92*109アルミ板含むOSコン仕様リモコン除)
*長寿命設計・導電性高分子アルミ電解コンデンサー、セラミックコンデンサ併用
  
■■プログラムの説明 ←ボードの較正、充電条件の設定、その他プログラムPDF詳細説明書
 (TC30Eは未定の為参考)
 
1. 較正、設定に必要な測定器
・電圧計(テスター)、10A以上の電流計(下記記載)、温度計、クリップtoクリップ、12V10A以上の可変電源、ステンレス線負荷抵抗器1Ω程度(自作電流計の記事参照)、鉄線負荷抵抗器0.15Ω程度
 
2. 操作
充電オンオフ: 車両ACC電源より外部SW-ACC端子によるオンオフとする。
リモコン操作SWでの操作: 通常時は操作不要。充電モード変更、充電条件設定変更等で使用します。操作時はSW1短押しは次へ長押しは設定記憶し次へ(ブザーが鳴る)、SW2逆順、SW3昇順 充電モード変更はSW1の長押し。較正時の接続、設定方法は説明書を熟読して正確に入力してください。
 
3. 較正
完成したボードは部品のバラツキなどを補正する為温度、電圧、電流を較正する必要があります。
ボードの較正、充電条件設定はPIC16F1705マイコンにより行います。
プログラムは"ボードの較正"、"充電条件の設定"、"DCDC制御プログラム"の3プログラムから構成されています。
操作はタクトSW1/2/3の短押し、長押し。SW1は長押しで設定、短押しで次へ。SW2/3はアップ/ダウン。
較正、設定値はフラッシュメモリに保存されます。
 
4. 充電条件の設定について 
較正に続いて充電条件の設定行います。(車載設置後も可能です。車載後の設定はSW3を押しながらリセットで充電条件設定のメニューになります)
使用するサブバッテリーの容量、種類に合わせて充電電流、充電電圧、サブ警報電圧、サブケーブル抵抗、メイン警報電圧、ECO V、クイック SV、 FAN動作温度を設定します。接続線路抵抗の参考値エーモン2sqでの導体抵抗は9.5Ω/km(20℃)との事2m*2であれば38mΩの設定としてください。過大な設定にご注意。
TC30E 設定項目追加 充電最小電圧M min V  充電開始電圧M on V  充電停止電圧M off V 

5. リセットについて
充電条件再設定する時はSW3を押しながらリセットSWを押す。
表示が更新されない。フリーズしている。表示されない。文字化けした。などの場合リセットSWを押す。
リセットで設定データが消える事はありませんがLOAD出力がオフとなる為一度充電モードにする事。
 
6. 非充電モード、充電モードとその他充電モード
ACCに電圧が印加されていない時、ACCが13.0V未満の時は非充電モード(待機モード)サブとメインの電圧表示。
ACCに12Vが印加され13.0V以上になれば充電モードとなります。サブの充電電圧、電流の表示
ECOモード、クイックモードに変更する場合はSW1長押しで設定変更可能です。
 
7.テストモード 取 説 参照  
 
メイン基板の製作
 TC-30EB_Rev01の試作。 以下の基板は20A程度まで動作確認が出来たもので、さらに改良中です。
部品取付の前にPWBと3mmアルミ板に取り付ける為の穴あけを最初に行っておくと正確に組み立てられる。チップ部品実装は基板中央部のチップ部品から順に取付けていく。基板周囲の部品や大きな部品は後にする。静電気対策し組立する事。
PWB-Top   リニアテクノロジー社の高機能DCDCコンバータLTC3780EGはSSOP24-0.65を使用。Q1、Q2、Q3、Q4はLFPAK形状の超低オン抵抗)を使用し、ローサイドQ2、Q4はPSMN0R925YLDなど1mΩを使用する
PIC16F1705 電流センサーZXCT1008FCT
大電力パターンは0.9φ銅線、銅板などで強化する。
インダクタは30A仕様と15A仕様で使い分けする。Q1、Q3はPSMN1R0-30YLDに変更。
大電流パターンは銅板0.3㎜パターンとする。位置決めピン穴も配置した。30A仕様での電流制限抵抗は7mΩ✕2 3.5mΩ

基板サイズRev01  約79*75。
TC10E LF102B 20A  
Rev01 部品面-半田面

30A仕様では下図の様な0.3mm銅板強化とする。
厚手銅板+ガラエポを使いたいがアマチュアに手が出せる価格ではない。
4SWFET、リカバリショットキーは余裕を持たせた部品選択が必要。
発熱があるのは電流制限1Wシャント抵抗。電流検出シャント抵抗。4個のFET。インダクタ。入出力コンデンサ。
基板は3mmスペーサーで3mmアルミ板に取り付ける。4FETシャント抵抗は3M製サーマルパッドを介しで放熱する。
インダクタ16AではFT114#67。画像のLF102Bをテスト中で20A以内は可能。30AではFT140#67を予定。
上下の太鼓型コアーは電流センサー兼フィルターコイル
 
試作2号機銅板補強 Rev00
開発中
松山市Zero氏の友人T氏製作の20A仕様0.3mm銅配線プレートを半田接着したパターンRev00(01)

この上にLFPAKのNchFETが4個電流センサー用チップ抵抗などが乗る。発熱伝導は基板側に放熱される。30Aもこれで視野に入る。
銅配線板製作はNT制御ルーター加工だそうです。大幅コストアップが予想される。

   試作2号機銅板補強 Rev00
20Aは何とかクリアできた。

装着したトロイダルコアFT-114#67  1.6φ2本巻。電流制限抵抗は3.5mΩ、ハイサイドFETはRds1mΩ台20A近辺まで可能。
FT114-67では30A仕様は困難。
市販の1500円程度で売られているLTC3780ボードをテストしたが10Aが限界である。又電流制限も12A程度と設定されている。
30A仕様の試作4号機Rev01 コアはFT140-67入手困難。国内で1,000円程度。LTC3780EGがこれも1個1,000円TC30Eではコストの壁がある。
FT140-67で30Aをクリア
但し、短時間で。超低Rds車載電力用FETでもチップ発熱が大きく発熱からRdsも増加する。
Rev01では無理。基板伝導放熱などを考慮したRev02を発注準備した。

中央に見える赤黒撚線は電流センサーリードで、スイッチングノイズ等の影響を避ける為ツイストワイヤー配線としている。
   
試作機群

 2号機~5号機 1号機は廃棄
20A仕様は2、3、4号機
5号機は10A仕様。
テスト測定中は2号機Rev00で出力14.2V25.0A コアはft114#67
全て動作しているがさらに大電流対策が必要。
FT140-67 30A仕様
  30A仕様の為のインダクタを装着したもの。上の4号機はFT140-61では30Aは無理であったがFT140-67に換装したもの。なんとか連続運用も可能と判断した。30Aでは入出力端子さえもオーバーワーク。ファン強制冷却は必須である。
ファンの制御はPIC内蔵センサーでは筐体内にインストールしても温度感知に遅れが生じる。サーミスタチップを発熱部に設置検知する必要がある。空気の流れがあるだけでも冷却効果がある。これをベースにPWB Rev04を次の試作目標とした。


FT140-67は今迄採用したトロイダルコアで最大サイズ。外径36内径23高さ12.8mm国内入手1個@1,000円でLTC3780EGと同価格。コストアップの要因となる。
2019/9/30現在の開発進捗状況
① インダクタコアはFT140#67に、直付けサーモファン回路追加、ソフトウェア電流センスファン制御追加。
② 入出力端子25A*2個とする。電流測定補正追加、サブバッテリプロテクタ回路廃止
③ 電流制限Sensラインパターン化
④ 出力電流シャント抵抗2m2W*2に変更(1mΩ)


 
  最終版として発注したPWB Rev04 2019/10/08
左部品面 右側裏面透視の銅板新基板作成Rev04 これが正常動作となれば完成に近付く。
タイトル画像が最新試作のRev04
  操作SW&LCD表示基板
  操作SW&LCD表示基板はTC10B/TC10C と共通です
 サポートツール。電流計などの制作 高価な測定器ツール不使用 
 これについてもTC10B/TC10C と共通です。
 基盤のテスト手順 
これについてもTC10B/TC10C と共通です。
ボードの較正と&充電条件の設定
追加機能がありますがTC10B/TC10C とほぼ共通です。
プログラム名バージョン、電流較正が0A 18Aの2点較正 設定条件電流範囲2A~20A
VerUPについてのお知らせ PICプログラム更新履歴
2019/09/12  TC30E Ver0.08 正式版は未りりース

 ヒートシンク取付 放熱について
冷却ファン/ヒートシンク
  • 充電電流の設定で20A以内であれば外付けヒートシンク、ファン共に不要とする。
  • 12VFANはPICマイコン内蔵は廃止。追加サーモファン回路を基板内蔵とする。50℃
  • 最大出力で連続運転となる場合はヒートシンク+ファンとする。
  • Rev04~サーモファン回路内蔵する。
基板を3mmアルミ板に取付けます(標準仕様です)。 さらにアルミヒートシンクブロックに取り付けます。
 
上図の例では、基板に直付けされたスイッチングFET、電流センサシャント抵抗の放熱は3Mのハイパーソフト放熱シートで行います。1mm程余分なサーマルパッドの厚みはネジで3mmスペーサの厚さ迄圧縮接着されます。粘着力はありません。最大出力付近では3mmアルミベースにファン冷却とします。
30A仕様では銅板配線となるのでFETなどの熱は銅板へ熱放散され、銅板をベースアルミ板へ放熱させる事になる。銅プレート全面に敷く為、大量のサーマルシートが必要。


2019/10/25 FETは3mmアルミ板✕2枚でアルミベースに直接放熱グリスにて接着とした。アルミベースへの基板取付は6mmジュラコンスペーサ使用し、締付調整はワッシャーで調整しナット締付。
生基板を3mmアルミ板にテープなどで仮止めし、穴に合わせて3mmドリルで貫通します。

8mmドリルで皿グリします。
左図の様に皿ビスを挿入し4隅にジュラコンスペーサーを入れます。FET,ショットキダイオードにサーマルパッドを必要な個所に入れます。

アルミ板の裏側はこの様にフラットにしておくとヒートシンク接着が出来ます。
左図は20A仕様TC10E試作画像です。
電流センサ用シャント抵抗、サーマルパッドの取付状態が見える。
スペーサは6角ナットとワッシャーで取り付けたが3mmジュラコンスペーサーでも可。
20A程度まではこの状態で過酷な条件下でなければファンレスも可能か。
Rev00(01)
タカチのアルミ押出材ケースHEN110520B 111.2x54.7x200 ¥3,880)などを使用すれば筐体がヒートシンクになります。
Rev00(01)
車載取付例・ケース組込例
TC10E結線図

高出力域ではファンは必要。
ファン制御はPIC内蔵からサーミスタファンに変更する。
注:    
  接続手順、動作チェック、日常点検  
 基板単体で初期設定値を変更したい時はサブ端子に12v程度の電池を接続し(サブバッテリで可)充電条件を変更してください。基本は0.1C充電です(50AHだと5A)

①LCD表示基板ケーブルにノイズフィルターを基板側に装着し接続、。
 
②入力端子MAIN、GNDの順でメインバッテリ(常時電源)をヒューズ15A~20Aを介し接続する。
この状態では無表示です。
 
③基板のACCコネクターに車両ACCラインから充電オンオフSWを介して接続。  変化はありません
 
④サブバッテリ端子に サブバッテリ+、-の順で接続する
LCD表示が点灯(バックライトも10秒点灯)、1行目S(点滅)12.5V 2行目 M 12.7Vの様に表示されると基板が待機状態(非充電モード)の表示です。ここまででPICマイコンは正常に動作していると判断できます。この時異常な表示の場合はリセットし正常表示にならなければ使用を中止し、点検ください。
 
⑤エンジンを起動します。LCD表示の2行目M 12.7Vが変化しオルタネータ発電状態によってリアルタイムに電圧変化する事を確認します。
 
⑥充電SWをオンにします。
メイン電圧が13.0V以上になれば3秒後に充電が開始され1行目S(点滅)充電電圧表示 2行目充電電流表示されます。充電電圧、充電電流共に時間と共ににそれぞれ上昇、下降していきます。この充電モードでのみ基板内LEDが点灯します。
充電条件で設定した値以下で動作している事を確認。
充電初期には大電流(設定した電流以下)が流れます。Q1、基板等に異常な発熱が無いか確認する。
 
⑦ 動作確認後各部の接続状態がしっかり接続されているか、緩みは無いか、基板などにもショックを与えて動作、表示に急変が無いか点検して下さい。それぞれ適正なヒューズ、安全の為メインは充電電流+5A、サブは消費電流以下を使用する。

 
⑧普段の点検の実施。長期不使用時
非充電モード(待機時)の表示が正常である事S(点滅)電圧表示 M電圧表示 異常な電圧でないか?S表示が点灯のままであればPICプログラムがフリーズしています。
 
 ロングランテス
 
評価測定
 測定回路は較正・設定の取説参照
VinとVout間に負荷抵抗1Ω~0.15Ω~0を接続します。DCDCコンバーター制御(マニュアルモード)で測定します。
TC10E Rev01 Ver0.01-20A仕様
LF102B 1.2φ7T 7m+7m


2019/01/13 初測定
20A 19.5A でも発熱は少ない
8A~15Aでは98%を越えた。LTC3780の能力をほぼ達成できたと思われる。

 比較の為に
TC10B 最終版の測定データ

2018/06/16 の測定データ
入力電圧が12.5Vであるが効率に大きく変化はない。

18.2A 14.8V  269.3W
連続動作不可。短時間、冷却動作です。17A以上は触れない程発熱する。ややLF130Bより効率低下している。
 2019/05/13

TC10E  5号機15A出力スイッチング波形
電流制限7mΩ、FT114#67 
TOP画像のもの
 考察:2019年12月現在
TC30E 完成度について:
改めて30Aを基板上で実現するのは容易ではない、安全上も問題がある事を実感しています。しかし様々な困難はあったものの何とか30Aを実現する事は出来ました。実用域は25A程度で30Aは能力があるというのが現状です。これで完成とは言えないが1年間の改良試作を重ね、ある程度の実現性に目途は立ったと言えそうです。
しかし、低電流域から30Aまで全域安定動作とはいかなかった。不安定要因を解決する迄には至らなかった。20Aで抑えるのであれば安定動作は可能である。一番のネックはトロイダルコアにこだわり過ぎたのかもしれない。スイッチング方式に関わらず磁気飽和を避けて通る事は出来ない。また現在の電圧制御方式では並列駆動によるパワーアップは難しく、パワーアップの目的は中途半端になる。(市販製品であh10A程度が大半である)
 
高コスト
リニアテクノロジー社LT3780EGの単価は10個単位でも1個1,000円。
30Aを実現出来るトロイダルコアは1,000円以上。30Aをプリント基板で達成するには銅板強化が必要で高コスト。手作りで有っても手間暇がかかる。30A以上を実現できなければ高コストの意味は無い。
LTC3780での試作での最大出力は30Aは可能ではあると思う。しかし安定して30Aを実現は出来ていない。試作PWBでの能力は25A以内と判断した。入手可能なチップワンストップでの販売価格も値動き上下幅が倍以上も変動し、アマチュアが手軽に安定して買えるとは言えない。AliExpres深圳の格安品は動作すらしない偽物だらけ。
 
電流センサーラインの引き回しがハイパワーになるほど信号ラインに影響が出てくる。グランドライン設計の影響も大電流に成る程大きくなる。(Rev04で対応した。)TC10Cに比べてリップルは少し多め。様々なPWBを試したがLTC3780の欠点を確かめた結果の様に思われる。
 
25A程度であれば問題なく運用できるレベルには到達していると判断している。ハイパワーDCDC単体で実現するのではなく15A~20A程度で複数並列駆動によるものが一般的の様でプロ仕様でも並列接続によってハイパワーを実現しています。TC10Cを20A程度に改良し、マルチ駆動でパワーアップを実現した方が実効性がある。
 
最大のメリットは昇降圧自在で降圧制御でもロスが少なく発熱を抑えられる。
 これはTC10C/20Cの充電初期の降圧制御領域の発熱ロスがあるのに比べて最大のメリット。
 
基板上で実現する限界は銅板強化では30A。 銅線強化では20A程度の様に思います。
 (銅板+ガラエポ複合基板は高コストプロユース)
 
モニター販売においてTC20Aの3基板並列で60Aを実現された方や、TC10Cの3台並列で40A充電設定で使用されている方もおられ、並列駆動の方が実用性は高いと言えそうです。並列駆動は電流制御のTC10C/20Cであれば設定を同一にし基板同一仕様とすれば可能です。

2019年12月開発は中止終了としました。モニター販売は可能なレベルではありますが初期の目標には到達したがLTC3780、FT140-67もコストネックです。個人レベルでの開発パワー不足を実感しました。ここまでで触れてはいませんがTC10C/20Cの様に2基3基並列接続でパワーアップが出来ません。従って増設パワアップは不可能です。(電圧制御なので旨くバランスが取れない)

2021年3月 振り返ってみると
TC30Eを走行充電器として採用する最大のメリットは
昇降圧が自在、充電初期の過放電バッテリへの充電、特に大容量リン酸鉄リチウムイオンバッテリの充電には最適です。14.4V設定でも充電終了直前まで電流制御すれば13V台となり非充電制御車でも降圧制御となり電源使用効率が良くそれは発熱も少ない領域での動作となる。注;TC10Eは出力電流制御であり入力電流制御のTC10Cと異なり並列接続によるパワーアップは適当な選択ではない。
上記のインダクタについてはLF130B分割コアで対応可能である。LTC3780EGのコスト問題はさらにコストと供給不安が増している。近日過放電バッテリへの降圧制御について再テストの予定。

2相並列DCDCコンバータについての解説はこちらにあります。
 
次はLTC3780を使用しないトランスを使った2相フルブリッジDCDCかも?電圧帰還制御やシャント抵抗を使用しない制御はパルス幅デューティ制御の様です。非常に難解です。
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最後に: 上記理由によりモニター販売は予定していませんが開発に要したパーツは失敗作PWBは70枚以上。LTC3780EGを始め相当量のストックがあります。必要な方がおられましたらお問合せ下さい。

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